pickup!

トルネコの元には、今回の戦いで大量の傷ついた武具が届いていた。

「ふー、アルディくんは相変わらず叩き斬るスタイルが変わらないな。鋭さよりも重量、重量よりも身体の内部に入り、抜くときの斬れ味かー。敵が複数いるときの切り替え。これは重心が難しい」

鍛冶屋に持っていく前に、細かくメモした紙を作る。アルディは中距離から力強い脚力を活かした斬り込みが得意で、それに時々、呪文を織り混ぜるスタイルで、さらに中遠距離にスイッチするという技も、身につけつつある。指揮官として全ての戦いに立つ者として、全てのレンジにオールマイティに動けた方が、彼としてはやりやすいのだろう。

斬り方は剣の師匠がそうだったのだろうが、どちらかというと部位構わず、叩き斬るスタイルだ。よく、モンスターの身体から引き抜いたその手で、また別のモンスターに攻撃している。

クリフトの剣の使い方は、別の見方が出来る。
近距離から中距離を得意とし、モンスターの関節部分に向かって、突き斬る攻撃が多い。ゆえに、クリフトの武器はアルディのそれよりも手元で扱いやすいよう、軽めに拵えることが多い。

これは、クリフトが元々超近距離戦闘を得意とするアリーナをカバーする為の戦い方で、いつなんとき、アリーナがピンチに陥ろうと、すぐに助けられる位置に陣取りつつ、モンスターの息の根を止めるというよりは、無力化することに主眼を置いている為だろう。

「今回のクリフトくんの剣は……。こりゃ酷いな。元々実用よりも装飾的意味合いが強いものとはいえ、こうも真っ二つに折れてしまうと、元通りに直すことも難しいし、仮に直ったとしても完全に装飾用になってしまうな。まあ、彼には槍や棒が、次の剣までの繋ぎにはなるんだろうけれど。……ん? これは……サントハイムの紋章か。……大変なものだ、値段など到底付けられない」

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