pickup!

「随分とまあ……」
トルネコは、真っ二つに折れたクリフトの剣を手に取った。
「クリフトさんを怒らせたようですね、バルザックという男は」

クリフトには、大事にしている剣がある。
あれは家宝なのだと、トルネコに語ったことがあった。

『曽々祖父、といっても私とは血が繋がっていないのですが。彼がその時の王より賜った大切な剣なのです。古いものですが、バーンスタイン家にとっては、家宝なのです』

古い剣の拵えには、小さく、しかし確かにサントハイムの紋章が燻し銀に輝いており、クリフトはなんだかんだ武器を替えながらも、その剣を愛用してきた。決して剣を折るような無茶苦茶な闘い方をする男ではない、というのをトルネコはよく知っているので、俄然好奇心が湧いた。

『バルザックは、今際の際に何を言い、あの任務に忠実で冷静なクリフトを激昂させたのか』

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